文化人類学

授 業 科 目 名 文化人類学 単位数 2 標準開設年次 2 必修・選択 選択
授業担当者氏名 粟津賢太

 文化人類学の理論と対象をできるだけ具体的な研究対象にそくして議論する。初学者にも理解しやすい形で文化理解の理論と方法を学ぶ。

 文化人類学は先入観を捨てて他者(others)を理解するための方法を追求してきた。それは人間の社会や文化を語る上での基礎的な知識といっても過言ではない。人間社会や文化を学問的にあつかうさまざまな分野に進む上でも、文化人類学が鍛えてきた概念や文化理論を習得しておく必要がある。

 人類史をみても、大航海時代以降、世界の距離は縮小し続けている。グローバル・ビレッジ(地球村)という言葉も、現代ではもはや空想の産物ではなくなりつつある。それに伴い、異なった文化や宗教的伝統にある他者を理解する適切な方法がますます必要となっている。

 また、特に 1980 年代以降、文化人類学的な知は、現代思想に対し、大きな知的衝撃を与え続けてきた。本講義では、文化人類学の基礎的な概念や文化理論とともに、近年の知的潮流についても講義し、共に考える。

 単に学説史を学ぶのではなく、文化の静態的な側面よりも、日常と歴史の中で、常に生み出されてゆく文化の動態的側面を捉える文化人類学的思考の獲得をめざす。一方的な講義だけではなく、映像資料なども利用しながら、多角的に学ぶ。テーマによっては学生間で議論をする時間を設け、ディスカッション・グループ等の講義形態も併用し、共に学んでいきたい。

第 1 回 序説 自然人類学と文化人類学(1)「サルからヒトへ」
       
第 2 回 自然人類学と文化人類学(2)言語特性
       
第 3 回 民族とは何か
       
第 4 回 文化と両義性(1)
       
第 5 回 文化と両義性(2)
       
第 6 回 通過儀礼と社会的移動
       
第 7 回 宗教的神話と象徴
       
第 8 回 経済と交換 構造という考え方
       
第 9 回 文化相対主義と人権(1)
       
第 10 回 文化相対主義と人権(2)
       
第 11 回 民族社会と近代(1)
       
第 12 回 民族社会と近代(2)
       
第 13 回 世界システムとグローバルな消費文化
       
第 14 回 宗教と暴力:サティーとダウリー
       
第 15 回 他者表象の政治学:E.サイードとオリエンタリズム 


 出席・試験。また、毎回の講義では簡単なレポートを課す。

【教科書】
プリントを使用する。

【参考書】
山下晋司・船曳建夫(編)『文化人類学キーワード』有斐閣、1997 年。
綾部恒雄(編)『文化人類学最新術語 100』弘文堂、2002 年。

 高度な理論の理解には凝縮された時間が必要となる。また学生の参加型の形態もとるので、遅刻・欠席をしない条件を満たすことが必要である。知的にも厳しさが要求されるものとなるので、講義テーマへの旺盛な関心と意欲のある諸君のみを歓迎する。また講義を受けるにあたっては、自分の持つ疑問を大切にし、それを積極的に追求し、議論する努力を重ねておく必要がある。基本的な力を身につけるには一定以上の読書量が必要不可欠である。特に参考書の中のトピックで、自分にとって興味のあるものについては事前に読んで、調べておくこと。これが研究の第一歩になる。






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